2010年11月09日

覚悟ある生き様

11月8日

 昨日、ある会議に参加。
 その座長を務められていたのは、ガンを公にされている方だ。
 この日もやっと、「痛みの緩和治療」から戻られてきたのだという。

 会議の間中、何事もなかったように、とても素敵な笑顔を見せてくださるが、最後の方になると、「痛みが出てきました。お許しください」と、立ち上がった。
 その姿勢の方が、座っているより痛みが緩和されるらしい。

 次の世代に、私たちの経験を伝えるプロジェクトの会議だった。
 
 この方は、生き方を通し、全身で、経験を伝えようと、このプロジェクトを提案してくださったのだ。

 私が同じ立場であったなら、そんな余裕があるだろうか?
 この方のように、素敵な笑顔を見せながら、穏やか物腰で、その場に来ることができただろうか?

 私には、はなはだ自信がない。
 
 不安に怯え、泣き叫ぶばかりである公算が高い。
 
 昨日は、この方の言葉遣い、物腰、笑顔から、本当に沢山のものを私は頂いていたのだと思う。
 
 感謝。
 今は、この言葉しか浮かばない。
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2010年11月01日

講演という表現スタイル

11月1日

 11月は講演や講座が立て続けに入っている。
 私にとって、講演は生の反応を感じ取ることができる貴重な機会だ。

 写真を撮って発表する。
 ほとんどの場合、それは一方通行で、私に直接、見た人、読んだ人の感想が届くことは稀といっても良いだろう。(このホームページから、直接励ましのメールをくださる方は結構います!)
 
 講演はだから、人々の反応を直接感じ取れる貴重な機会なのだ。

 表現者というのは、本当に「自分のやっていることが間違っていないのか」「興味あることが人々に伝わっているのか」を確かめてみたい気持ちになる。
 やはり不安だから。
 そのために写真展をしたり、講演会をするのだと思う。

 でも、講演はライブだから、つまらないと、一発でそれが集まった人の反応に出るから怖い。針のむしろに座っている感じだ。

 一方、人々が真剣に私の写真に、言葉に耳を、目を傾けてくれる講演の場合、励まされ、「まだまだこの仕事を続けていこう!」と思えるのだ。

 これからの写真家は、写真を撮っているだけではなかなか仕事が成立しないと思う。
 そもそも、この仕事を選んだ理由は、「見たものを伝えたいから」。
 被写体と関わり、目撃した者の務めとして、これからも、講演を含め、あらゆる方法で伝え続けます。

 
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2010年10月27日

新刊「すべての生命にであえてよかった」

10月27日

 四国に行っている間、まったく仕事をしていなかったので、この一週間は、朝から晩まで、机の前でガッチリをした。
 遍路のために2週間もまとめて休みを取れることなど、会社務めをしていればほぼないわけで、その点フリーだからこそできることだろう。

 しかし一方で、フリーであるが故に、金銭的な苦労はいつも尽きない。

 金銭の安定を取るのか?
 それとも自由を取るのか?

 これはいつも、すべての人が抱える命題なのだろう。

 さて、すでに告知させて頂いていた私の新刊が出ました。


「すべての生命にであえてよかった」(日本キリスト教団出版局)1890円
    桃井和馬著

 以下のサイトから購入が可能です。

ブックサービス  http://p.tl/G-mo 
HMV      http://p.tl/F8U6
教文館 http://p.tl/Cqay

 アマゾンにはこれから掲載される予定ですが、まだ未定。
 アマゾンが動かないと、本が動かないというのが実情です。

 でも、渾身の一冊。

 クリスマスのプレゼントにもぴったりの本!
 ガンガン注文をお願いいたします。
 
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2010年10月18日

四国より帰宅

10月18日

 10月15日に四国の旅から帰宅した。
 それまでの2週間、四国の山々を、そして巡礼の道を歩き続けたのだ。

 もっともきつかったのは西日本で一番高い山「石鎚山」の登頂。
 この山は標高1982メートルと、決して高い山ではない。しかし元々「修験道」 http://p.tl/qtDM の修行地ということで、勾配はきつい。現在でも、最後の2キロがずっと、険しい場所に作られた階段なのだ。
 
 私は歩きで四国を回っていた。
 そのため、石鎚山に登るのも、登山口に到着するまで17キロ歩いた。それから2泊3日の行程。途中、イノシシと遭遇し、ヘビやカマキリ、ムカデやバッタと併走した。

 最後は気が遠くなりそうなほど、身体に疲労が溜まっていた。
 かつて、修験者たちは、階段もない崖の山を、這うようにして回り、祈り、修行を続けたのだろう。

 当時修験者たちが食べていたという携帯食料は、マメを発酵させたもので、味噌のような食料だった。これに生えている草木を合わせて食べながらの修行は想像を絶する。

 今回の四国では、夜、ほぼすべてを野宿で過ごした。
 大量のゴキブリに襲われた夜。
 また、たまたま寝た公園は、カップルのデート場所で、寝袋に入った私の隣で、私に気づかないカップルが、ずっと抱き合っていた。
     ↑
 これには困った!!!!!
 そこで、大きな咳を何度かして、私がいることを気づかせて上げた。
 無粋なり!

 カップルも怖かっただろうなぁ。
 彼らにすれば、私は立派なホームレス。びっくりして、少しだけ恐ろしそうに立ち去ったカップルの反応からそれがわかった。

 しかし同時に、野宿をして、社会の最底辺に組み込まれると、人々の温かい心も敏感に感じ取ることができた。
 毎日、毎日、何度も「お接待」を受けたのだ。

 お接待とは四国遍路をする者へ、飲み物や食べ物、そして時にはお金を渡す習慣である。

 ちなみに、1日に歩いた歩数は平均4万歩。距離にすると30キロほどだろう。

 途中、一回もパソコンにはアクセスせず。故にメールにチェックもしなかった。

 東京の自宅に帰ってきてすでに3日目。
 すでに身体がうずいている

 また、どこか遠くへ旅に出たい!!
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2010年10月01日

蠢く狂気とサディズム


10月1日
 
 「メディアの形が変わる」と言われて久しい。
 確かに、雑誌にはドキュメントを掲載するグラビアなど無くなってしまったわけで、メディアの形が急激に変化していることは、常々、実感として感じている。 
 それに、たとえばロフトなどで行われている「ライブ討論」が生放送としてインターネットで見られるのは、ありがたいばかりだ。

 しかし、である。
 これを読んでおわれる方は笑われるかもしれないが、「ニコニコ動画」というサイトを初めて見た。
 ニコ動は、ライブ討論や、映像などを流すサイトだ。
 このサイトの特徴は、放送が行われている時に、視聴者がコメントを自由に書き込める機能だ。
 それが、映像の中やコメント欄に秒単位で掲載されていく。

 私が初めて見たのは、先日まで国会議員だった鈴木宗男氏のインタビュー番組だった。
 生のインタビューが始まると同時に、コメントが殺到。
 匿名で送られるコメントの内容に、私は狂気を感じた。
 
 無数のコメントに書き込まれた憎悪と蔑み。日頃、表には出せない人々の心の奥底で蠢く狂気とサディズムと差別意識が、その中で踊り続けていたのである。

 日本人は、これほどまでに品を無くしてしまったのか?
 言論の暴力。愚劣化を辿る人々の心、精神。匿名の民主主義の、暴力的な発露・・・・。
扇動者が現れた時、人々のこの暗い劣情が、簡単に爆発するのだと感じてしまう。
 
 これが「新しいメディア」だというのならば、私はそんなものに関わりたくははい。
 
posted by momoikazuma at 13:07 | TrackBack(0) | 記事

2010年09月30日

四国遍路

 10月2日から、再び「四国遍路」に出かけます。
 2年前から、「区切り打ち」という方法で遍路を続け、これで5回目になります。
 区切り打ちとは、一気に一周1200キロを回るのではなく、時間がある時に、歩ける範囲で前に進むやり方。
 すでに1000キロほど歩きましたから、あと200キロほどで一周したことになります。
 ちなみに、私は仏教徒ではありません。
 しかし、空海の修行の場であった「へんろ道」を歩いていると、都会で疲れ切った精神が回復するのを感じることができたのです。

 自然に触れ、自分と向き合う。
 そして、宿に泊まることもありますが、今では野宿が中心。夜、闇の中に身を置くなかで、「いかに人間が小さい」のかを感じ、また小さいながら、この大地に生かされていることも、肉体の経験として感じられるようになるのです。
(この辺りのことは、12月に出る拙著(集英社新書)をお読みください)

★ちなみに、その様子は最近始めたばかりのツイッターで随時報告します。
 momoikazuma
で検索してみてください。
 
posted by momoikazuma at 17:13 | TrackBack(0) | 記事

2010年09月25日

BSフジ「10の世界」

9月25日

 私が出演する南太平洋の島国ツバルが、BSフジ開局10周年番組で放映されます。
 青く澄みきったリーフオーシャン。そこに住む人々の暮らしから、今、私たち人間にとって、何が大切なのかを問い続けました。
 BSフジの開局10周年ということで、10月10日の放映。

 それだけでなく、10歳の男の子との交流を通してみた番組と、すべてが「10」に関係しています。

 私の出演はこの番組の一部ですが、それにしても3時間かけて、ゆっくり世界の旅番組を見られるなんて、時代はやはりBSですね!
(最近は、私自身、お笑い一辺倒の「地上波」は、ガチャガチャしすぎて、疲れ過ぎるので、見る頻度が極端に減ってしまいました)

 10歳という年齢は、子どもから大人への移行期。
 少年が抱く揺れる心。未来への夢。

 出会った10歳のティタくん、いい顔してます。
 
 彼らに、まっとうな地球を残して上げたい。
 それが私たち大人が「今やらなくてはいけないこと」なのだと、改めて感じることができた旅でした。

 番組のHPも現在急ピッチで作成中とのことですが、仮のHPがあります。
 詳細は以下の通りです。

ドキュメンタリー/教養
開局10周年記念番組『10の世界』
〜10歳、10カ国、10人の世界...〜

【今回の放送日時】 2010年10月10日(日)19:00〜22:00
http://www.bsfuji.tv/top/pub/10worlds.html

posted by momoikazuma at 11:46 | TrackBack(1) | 記事

2010年09月24日

Eyewitness

 昨日、久しぶりに Eyewitness(http://www.eye-witness.jp/)のメンバーと長時間話し合いの時を持った。これまで資金繰りに困り、活動が停滞していたが、メンバーと顔をつきあわせ、それぞれの思いを付き合わせてみた。
 みな志は一緒なのだ。
 遠い地平を目ざし、私は一歩でも、二歩でも歩き続けたいと思っている。
 それが他のメンバーも共有している思いだと確認できた。
 
 写真界の斜陽が叫ばれて久しい。
 発表メディアの形が変わり、これまでのスタイルが通用しなくなっている。

 しかしどんな状況になっても、地球を見続け、地球を撮り続けた者にとって、見たものを伝え続けるのが、被写体への責務だと思う。
 それが故に、私たちは「撮る」ことを許されたのだ。

 今の私にとって、撮ることは「祈り」でもある。
 心を込め、魂を込め、シャッターを押す。
 この行為を汚さないためにも、私たちは、私たちの前に姿を現してくれた存在の言葉を紡ぎ、伝えていく。

 話し合いの後、杯を重ねた。
 やはり、志を共有した友との酒は、最高に美味い。
posted by momoikazuma at 12:10 | TrackBack(0) | 記事